「死者にとって、死は終わり。その先に続く道はもうどこにも無い。

ならば、その”死”は死者のための物ではない。
生者が亡くしてしまった物を悼み、悔やみ、懐しむために死者に手渡されるもの。
貴方が見つめる”死”は死者の物ではなく、貴方のための物だ。

だからきっと貴方のその手の中には、大切な人の死すら、まだ残っているはずだよ。
死者の形をした何かではなく、自ら育て、見守り、喪った子供の、ね。」

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人はこの世界に生まれ落ちた時から、長くて短い夢を見始める。
その夢は、毎夜に隙間風と共に闇を歩く”死”から融通してきたもので、過ぎればまた久遠の闇に還るだけの泡沫。
私の夢も幸福とは言い難い結末で90年前に醒めた……醒めた筈だった。

なのにまた今見ている夢の続きは、守った筈だった未来からは程遠いものだった。抱えていた物は悉く手から零れ落ち、それでも世界は続いている。
…自分がしてきた事など、あってもなくても世界は変わらなかったのかも知れないな。

だがまあ、無駄と分かってもなお私は騎士だから、目の前の命が一つでも守れるのなら剣を取ってしまうんだ。そういう生き方しかして来なかったものでね。
それが騎士というものなのさ。

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left:死者狩りの老シドニィ
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right:亡国の騎士団長 ライオネル
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■PixivFantasia RotD:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=63981060
■3章:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=64556068
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