霖に幽し天国の裏門

May 26,2019

#pixiv project

pixivファンタジア

ねぇ、君は知っているかな?

今日の朝、そうでなくとも昨日の夜に君が口にした肉や魚。

それらはついこの間まで、君と同じように『生きて』いたんだって。
彼らにも、親が居て、子が居て、友が居て、その時まで生きてきた軌跡があったんだって。

君達はさ、ただ無為に日々を生きているだけで、沢山の命を奪っているんだ。

……あぁ、責めるつもりなんてないんだよ。

ただ、そう。

君達は、奪った命に見合うだけの生を全う出来ているかな?

…………なんてね。

そんな事、本当はどうだって良いんだ。

君が生きる権利も、死ぬ権利も、誰かに決める事は出来ないのだから。
君が無為に生きたところで、誰も君を責めることはない。

でも、願わくば……いつか君が斃れるその日まで力の限り走って、最後の最期には君が奪ってきた命に誇れる歩みだったと胸を張れますように。
屠り、喰らって来た命の重さに押し潰される事無く、その荷を背負って歩けますように。

だって、それが『命を奪う』って事だから。

それがちゃんと『生きる』って事だから。

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巡る命を導いて、還る命を迎え入れる。
“流転の水車”は殺生を否定しない。

生きとし生けるもの全ては、殺し、殺され命を繋ぐ。
それが理。

…………分かっちゃう?
うん、そうだね。

この世界に存在する森羅万象、無量大数の命達、それは世界にとって等しく尊く……等しく無価値だ。

だって、幾らでも換えの効く、七十億人と言う唯の大数でしかない……いや、その七十億ですら、居なくなったところで次の万物の霊長が生まれるだけだ。

うん、そう。
だからだよ。
だからこそ……君の生に意味を見出すのは、世界じゃないんだ。

君だ。
君だけなんだ。

君が必死に歩いている君自身の人生を、君だけは認めてあげないといけないんだ。
君だけは、無条件で君の味方で居てあげないといけないんだ。

この先何があろうとも、それを忘れないでいてね。

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【企画】pixivファンタジア Last Saga:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=72934234

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■蟲閃のツジヤ:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=72980284

■クリア・ウェンデル:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=72939405

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人の死が溢れる戦場は、正転する”流転の水車”には忙しい場所。
水車が逆転すると…………さて、どうなるか

関係ないですが「ながあめにかそけしてんごくのうらもん」です。